ツール・ド・ヴァレンシア まとめ。

 ツール・ド・ヴァレンシアを走り終えてフランスへ帰ってきました。



  2日目、3日目の山岳ステージで総合成績で大きく遅れをとってしまい、「 総合時間争いに関係のない選手 」として迎えた4日目の最終ステージ。ミーティングで与えられた役割はゼロキロメートルアタック。つまりスタートアタック。



 役割を果たすことに全力を使う。それで完走できなくたとしても良いというのが監督の意見。自分が逃げに乗ることで集団にいるチームメイトへの負担を減らすことができる。こういうカタチでのアシストというのが自分にできること。



  スタートは最前列に並びローリング走行中は先行車に張り付いてリアルスタートの旗が振られるのを待っていた。リアルスタートの旗が振られアクセル全開で加速していく車の後ろをスプリントしてついて行くようにアタックした。
  自分を含めて6人の逃げが形成されタイム差を稼ぎたいところ。追い風の平坦は55km/h以上とかでローテーションした。集団も追走していてタイム差は思うように開かない。



  集団が追い上げてくる中、逃げグループの他の5人も余裕が無くなりローテーションがうまく回らなくなる。結局その逃げは終盤まで続く大きなアクションにはならずスタートから40km地点手前で吸収された。力尽きて集団の後方で苦しんだ後60km地点で集団から遅れてレースをリタイアした。




  役割を果たすということに集中できたこと、チームがそうさせてくれたことは良かった。

  「 役割を果たすためなら完走はできなくてもいい 」その一言のおかげで臆病にならず前半の展開に全力を出せたことは普段にはできないステージレース最終日だからこそできる貴重な体験になった。これからのため、来年のヨーロッパレースで自分が思う価値ある結果を掴むための糧としたい。




 【 4日間を振り返って 】

   今回のツール・ド・ヴァレンシア(スペイン)はフランスで走っているエリートナショナルのレースよりも更にスピードが速く感じた。そして強豪チームはそのチーム力を活かしたチームでの展開・動きが高いレベルで成り立っている。それには感心してしまうくらい。それと同時にそういう戦い方をする相手のいるヨーロッパのレースでは自分たちも同じようにチームでの展開・動きをして戦うしかここで居場所を作っていくには方法が無いと思った。


   ヨーロッパでレースするということ、こうして実際に自分で体験して知れば知るほど広く大きく、レベルの高さや過酷さが身に染みる。知れば知るほど、体験するほどに自分の価値観までもが変わっていく。
   本物を知って、その本物を手に入れたいと強く思う。