狭い水槽ではなくて、海を泳げるサカナになりたい。

 海外での生活では、外で出会うもの全てが自分を豊かにしてくれる価値あるものだと思っている。日常生活の中で出会う身近なことでもその多くがそれに当てはまるだろう。
 例えば、スーパーで欲しい量だけの野菜を買うことやカフェで飲み物を注文することなど、笑顔で話しかけてくれたフランス人に笑顔で話し返すことだったりそういった地味なことも含めて、車に燃料を入れて高速道路を運転して数百キロ離れた町までレースへ行くことだったりその他にもいろいろなこと。今となっては何ともないことだけど初めてフランスへ来たときには全てできなかった。


 初めてフランスへ来た2年前の夏、自転車に乗ることしかできずにいた自分はサドルの上にしか自分の居場所がなくて、それが怖いと思った。
 慣れないうちはフランス人と一言話すこともいちいち緊張していたけれどフランス人と接してみてこの国の人々の優しさを知り地元の人と接することで見つけ出せた新しい価値観と出会えた。
 それは遠征先の土地や国で、その土地の人と接して笑顔を共有すること。それは自分がこれからも大切にしていきたいことのうちのひとつになりました。


   【春のフランスで】
   
   


   【インドネシアスマトラ島で】
   
   
   
   
    
   
   
   
   

   【湘南で】
   


   【夏のフランスで】
   
   
   
   



 海外生活では外で出会うもの全てが自分を豊かにしてくれる価値あるもの。だから今日もそれに出会うために外に出かけに行く。
 自転車を降りたらこの地に居場所のない選手、ではなくこの地でもやっていける力を持った人、選手になりたい。いつかは。




 今日も町はいつも通りに美しい。今日の午後は何に出会えるだろうか。服に着替えてカメラを持ってワクワクした気持ちで外へ出かけてみる。それだけでいい。