『Grand Prix de Plouay Elite Open 2014』 レポート

 8月30日、フランス北西部ブルターニュ地方で行われた『Grand Prix de Plouay Elite Open 2014』
 このレースは30日にアマチュアレースとUCIの女子プロのレースが行われ、翌31日にUCIプロツアーのレースが行われる日本でいうジャパンカップ(宇都宮)のようなフランス国内の大きな大会。

 フランスアマチュア選手たちにとってもこの大会は誰もが強く意識しているレースらしい。なぜならこのレースで勝てばプロツアー選手になれるかもしれないというプロへの門でもあるからだ。

   

 1周14kmの周回コースを10周する140kmのロードレース


【レースレポート】
 今回はいつもフランス国内で走っているエリートナショナルレースとも違いプロツアー入りを目指すフランス国内の若手選手が多く集まった北フランスでの大きなレース。勢いのある200人ほどの選手が争う大人数でのレースだったが重要なことはいつもと変わらない。「重要な一瞬を見極めてその一瞬にひたすら全力になれるかどうか」レースは長いけど勝負はいつも一瞬でその一瞬に全力になれるかどうかが後の結果を左右する。


 後半に必ずある勝負所で強烈な動きに加わりたい。そして先頭グループでゴールへ帰ってきて勝負をしたい。そのために前半から中盤にかけてはなるべく力を使わないように集団内をうまく走った。それでもレースは厳しいもので春に日本代表チームで走ったワールドカップ戦を思い出すようなものだった。


 常に逃げのシャッフルや集団の分裂など繰り返し北フランス特有の雨の中、激しい展開で進むレースはあっという間に残り30kmを迎えた。展開が激しくて何人の選手が逃げているのか、タイム差はどのくらいなのか正確には情報を掴めていなかったが集団内に高まる緊張感、アタックをして抜け出そうと攻撃する強い選手たちの動きに加わって自分も集団からの抜け出しを試みた。


 後半に動けてはいたが結局、ラスト数キロをメイン集団で迎えることとなり10人ほどの先頭の勝ち逃げには加われなかった。「またチャンスを逃してしまった」と冷静になってしまったがメイン集団内でスプリントして43位でレースを終えた。


【レースを終えて思うこと】
 チャンスというのは限りがあるし時間にも限りがある。光るべきタイミングに光るべきところで光らないとチャンスはあってもそれをモノに出来ない。回ってくるチャンス、その中で認められる結果を出してチームに選手としての能力を必要とされないと選手として自転車ロードレースを走ることは成り立たない。


 厳しい世界だけど、本物を追い求めてきて今こうして本物のロードレースを走れていること、自転車をやっていて幸せだと思う。どうしようもなく世界へ挑戦したくて1年間通った大学を辞めてまでフランスへ来て今に至る。失ったものもあるかもしれないけど、こうしなくては得られなかったものも多くある。
 ひとつ言えることは後悔は少しも無いこと。何かを失ってまでも一番やりたくて自分で挑戦すると決めたことだから。


 今は正直、来年自分がどうしているかも見えていなくて、迷いがあって、直観で決められない。
 ゆっくり考えてる場合でもないけれど、そういうときこそ自分の本当の気持ちとちゃんと向き合うことは大切。綺麗な景色でも見ながらゆっくり自分と向き合ってみようと思う。