不調から得られたものがある。

 自分が今シーズン、ヨーロッパで走る最後のレースはスペイン・カタルーニャ地方で開催されたアマチアクラッシックレース『GP OLOT』 フランスのチーム拠点のあるトゥールーズから見るとピレネー山脈の反対側に位置する小さな町OLOTにて毎年開催されているレース。


 レースは120km弱と距離は短いものの、いくつか数キロの上りがあり中盤には7kmの峠がある。その後はゴールまで平坦が続くので中盤の峠をしっかり勝負できる集団でクリアできればチャンスはある。今日はこの峠をできるだけ良い位置でクリアしようと峠1本に意識を集中させスタートをした。


【レースレポート】
 序盤から小石が逃げに乗り集団内にいるジャパンチームの他選手も含め自分も中盤の7kmの峠に向けて力を温存することができた。レースはこの日最大の峠区間に入り集団の人数が一気に減っていく。オーバーペースに無理に食らいつきオールアウトしないように自分のペースを守りながら結果的に一番速く峠をクリアできるようにした。

 峠の長い下りを下りきったところで小石の乗った逃げグループが吸収され40人程の先頭グループになりジャパンチームは今日は全員がそこに残った。次の展開で内野がアタックに乗り小石、清水も続き勝負グループが形成された。
 自分は一瞬の判断ミスでそこに加われなかったことは残念だったが、今日はレースの内容というより最近続いていた不調と向き合うことで新たに得られたものがあった時間こそが自分には「大きな得たもの」だと思う。



 調子の良いときもあれば悪いときも必ずある。良いときっていうのは追い風に身を任せたときのようにほっといても調子が良く、悪いときはいろいろ試しても工夫してもすぐには状況は変わらない。向かい風のなか走るようななかなか前へ進めない時間が続くことがある。
 そんなときこそ現状を冷静に受け入れ認めることが大切だと感じた。そうすることで現状を抜け出すためには何をすればいいかが初めて見えてくる。悪いときにはそうなる理由が必ずあるから。悪い状態のときに良い状態のときと同じことをしようとしてもそれはできない。悪いときには悪いときなりのやり方がある。状況に合わせてやることを変えることは悪いことでもなんでもない。必要なことだ。


 急がなくちゃいけないときでも、一番大事なのは急ぎに飲まれず自分を知って冷静に今何をすればいいかを常に見つけ出せることだと思う。急ぐとそれらが見えなくなる。そして1レースごとの結果が良くも悪くもそれにいちいち騒がないこと。過剰に反応せず一時の感情に揺らされないことって大切だと強く感じた。


 これで今年のヨーロッパでのレース、欧州遠征プログラムは終了しました。


   


 この先も予想がつかない明日だけど、そこでも道を切り開いていきたい。そのための準備を積み重ねて強くなって、また回ってくるチャンスを待って。


   



 JCF U23欧州遠征レースレポート