オフ明けて、新たに。

 今月14日にスペインでの欧州最終レースを走り終えてから少しの間、オフをとっていました。フランスで過ごした約10日間のオフは自転車から離れ日常から離れ非日常を追い求め過ごした時間だった。



 自転車のことを言えば今年は2月から気の抜けないレースシーズンを過ごしてきた。夏の後半には正直、コンディションが良いとは言えない時間が続き期限だけが迫る日々。レースを走り結果を出すことを求められるのは代表選手であるから当然のこと。自分が前へ進むためにも。気がつけばそれがプレッシャーになり気持ちにも余裕がなくなり身体ともうまく向き合えてなかったんだと思う。ジャパンチームでのスペイン遠征に入る頃にはリズムを完全に見失っていた。



 常にプレッシャーと共にある自転車から少しの間離れたい。最近はそう思うことが多かったので日本に帰るまでのフランス滞在期間にオフをとることを決めた。選手である自分にとって完全に日常には欠かせない自転車と向き合う時間、それがないオフの日々といのは最初は新鮮で清々しいものに感じた。日常から離れ非日常を追い求め思いっきり楽しむ。それがエネルギーの充電に繋がる。休むことで身体も気持ちも回復しエネルギーが湧きあがってくることを知ってる。そして慣れすぎて見えなくなっていることが日常から離れることで見えるようになるだろうとも期待していた。



 このオフを通して一番大切なことに気付けたと思うことは「日常の充実なしに非日常で一瞬の楽しみを味わってもそれはそのときだけ。本当の充実感には繋がっていない」ってことでした。だから気持ちは自然と自転車と向き合う時間が欠かせない日常へと向き、そしてこう思ったのはいつぶりだかわからないくらいだけど、「自転車で遠くへ走って行きたい」って心の底から思った。



 もう十分だと思って今日からオフ明け、新たな気持ちで何のプレッシャーも感じずにフランスで好きなように走った今日は今年で一番気持ちよく自転車に乗れた日かもしれない。ピレネー山脈を含む6時間の練習、チームメイトの岡も一緒に来てくれたおかげで自転車で走ることを本心から楽しめた1日でした。


   


 やっぱり、自転車に乗っている時に見る自然の風景って好き。明日も楽しみだ。