U23ネイションズカップ1戦目、TOUR OF FLANDERS U23 (ツアー・オブ・フランドル U23)


ネイションズカップとは各国の代表選手6名が参加し、世界中から国の代表選手が集まり世界選手権の出場枠、ネイションズポイントの獲得を争うワールドカップ戦、4月には11日、15日、17日〜18日にそれぞれベルギー、フランス、オランダの3カ国で開催される3連戦。その1戦目、ベルギーを舞台としたツール・デ・フランドル U23。パヴェというベルギー特有の激しい石畳と雨がレースを過酷なものにした177kmのレース。


【レースレポート】 結果:落車リタイア
スタート直後から風向きに注意をして集団前方の位置をキープして走る。JAPANチームメイトの小石と清水、常に2人のどちらかの近くを走りチームでの動きに気を使いながら走った。横風を利用した攻撃があった場合に攻撃を受ける側ではなく、攻撃する側と同調できるように集団前方にいることが重要で位置取りには常に気が抜けない。風を利用して攻撃するレースをするのが上手いオランダとベルギーの2チームの動きを見ていた。


数人の逃げはあるものの集団は容認する。120kmを過ぎてからゴールの街の周回コースの重要な場面で力を発揮できるように力を貯めて備えていた。100kmを過ぎたくらいから激しい雨も降り出して視界が悪く自分の前を走る選手の後輪を見るのがやっとなくらいの悪天候となりレースが過酷になっていった。雨で視界の悪い中50kmで走る集団内での位置取りは後になって冷静に考えてみたらゾッとするがレース中は不思議とあまり怖いと思うことはない。


いよいよゴールの街の周回コースに入る。ここからが本当のレースだと思った120km地点、始まる石畳区間に向けて位置取りをしていたときに他国の選手と絡んで落車、JAPANのチームメイトを巻き込まなくて良かったが他国の選手を巻き込んでしまい自分の後輪も破損、チームカーからスペアホイールを受け取り再乗車して集団復帰を試みたが石畳区間、風のある平坦区間では1人ではどうあがいても集団に追いつくことができなかった。


集団復帰できずに30kmほど単独で走って150km地点で審判車からリタイアを言い渡されて自分の惨めさがひたすら悔しい気持ちで自転車を降りて自分のレースは終わった。


落車から再乗車して1人で集団を追って走っているとき、雨降る石畳区間では色々な国の多くの選手が落車して路上に倒れ混んでいるのを見た。何台ものチームカーがコース上に止まって落車した自国の選手をフォローしている。ジャージと皮膚が擦り切れている選手、スペアバイクに乗り換えて再乗車しようとしている選手、路上に倒れ混んで動けない選手、いつも集団でレースを走っているときには見ることはない光景がそこにはあった。彼らを抜いていくときこの競技の過酷さを改めて感じた。


自分は世界のロードレースの魅力に引き込まれ、そこで這い上がっていくことを目指している選手の1人。ロードレースという競技は本当に過酷でもあるけれど、最高に刺激的で深い魅力があると思う。
現場で感じられるそういう生の空気を日本の人たちに伝えたくても、それをリアルに伝えるのは難しいことなのかもしれない。どうしたら伝えられるだろうか。声の出ない叫びのようにそう思うときがある。


イレギュラーなことが原因でレースを終えて悔しい思いをしているのは自分だけじゃない。次戦に向けて。 15日にフランスで開催されるネイションズカップ2戦目、LA COTE PICARDE (ラ・コート・ピカルド) に自分の全てをぶつけて自身の目標を必ず達成させたい。