再スタート。


帰国してから1週間、少しの間自転車から離れた生活をしていました。


日本へ帰ってきてからカラダも気持ちも自転車から離れて休んだことで一点に集中していた視野が緩み広がり新しい気づきを得られように思う。春の欧州遠征を終え帰国し気が抜けたその時間には、ヨーロッパでレース活動しているときはどれだけ気が抜けない日々を過ごしていたのかがよく分かります。


今シーズンは2月のアジア選手権、その前のタイ合宿も含め年明けからアクセル全開でシーズン前半を走ってきました。調子もとても良くこの春が今までで一番力強く走れていたことは間違いないだろう。


自覚はなかったけど集中期間が終わり、気が抜けたら蓄積されたダメージは後になってでも必ず出てくる。自分の確かな成長を感じられたこの春は一番重要な結果こそ残すことはできなかったが力がついた良い時期でもあった。
その陰には心身共に余裕がなくカツカツ状態だったことも事実。異常なほどタフな身体の持ち主ではない自分は、5月6月と国内で頑張るためにも今このタイミングが休むべきときだっただろう。


ヨーロッパにいる間、僕らは自転車が全てであり何もかもが自転車レースを軸とした生活の中にいる。選手だから、向こうへいる間は自転車レースが自分の全てです。

その自転車選手という自身の看板に意識の中で幕を被せて、何かを探すように過ごしたこの時間の中には新しい気づきがあったように思います。

一番思ったことは、この世の中は自分が身を投じている自転車競技の世界だけではないってこと。街を歩き、働く人たちを見て、久しぶりの日本を感じて、その当たり前の事実を再認識できた気がする。



だからこそ、今自分のいる場所をさらに大事にしたいと思ったし、今自分が持っているものを大事にしたいと思った。無いものばかり追いすぎて自分の持っているものに目がいっていなかったようにも思う。



今日から5月、再スタート。
1週間も練習していないと身体は一時的に弱くなってパワーも落ちている。だけどこの休息はこれから頑張るためにも自分には必要な時間だった。休んでエネルギーも充電できた。これからまた上手く積み重ねていって良い流れを掴んで行こう。

何かに追われるようにではなくて、何かを掴みに行くようにワクワクする気持ちを忘れずに。