全日本選手権ロードレース2015 エリート240km


今シーズンの前半戦を締めくくる6月の全日本選手権、2月のアジア選手権から始まった今シーズン数多く海外レース走ってきた前半戦で得てきたもの、成長できたと感じている自分の実力をこの舞台で発揮して必ず次に繋がる走りをするため準備して臨んだ全日本選手権ロードレース240kmの戦い。

詳しい全体のレース内容はメディア記事を御覧ください。http://cyclist.sanspo.com/191224



240kmという長距離レース。200kmを超えてからの後半に受け身側ではなく攻撃する側に立ち繰り返し攻めるレースをできるかどうかが自分が求めるものを得るためには重要だと思っていた。レース終盤の本当の力勝負をしてそこでの力勝負を勝ち抜き、少人数に絞られた先頭でゴールへ飛び込んでこようというイメージを描いてレースをスタートした。


レース前半に有力チームのエース級選手を多く含む19人の逃げが決まってしまったとき、チームメイトの内野選手が自分の身を削る走りをして自分と岡選手のために集団牽引に加わり捨て身の走りで自分たちを助けてくれたこと。誰もが自分の結果を狙いたい全日本選手権で、覚悟して、あの場でその決断ができた内野選手に対してチームメイトとして深く感謝しているし尊敬する。自分にはあの場で捨て身覚悟のその決断はできなかった。このレースでもうひとつ彼の強さを感じました。


内野選手が集団牽引に加わってくれたことで自分と岡選手は集団内で力を温存させて走ることができた。最大5分半ほど開いた19人の逃げグループをレース中盤に吸収し次の展開が始まる。体力を使い果たして尽くしてくれた内野選手に「後は頼みますよ」と言われ、なんとしてでも力で飛び出そうと高い集中域に入った。


後半のアタックや抜け出しの動き、ほぼすべての動きに反応してどの逃げが決まっても自分と岡選手のどちらかが必ず入れるように展開した。数的には2人とは不利だが自分たちはフランスでこういうレースを積み重ねてきている。だから岡選手も自分も言葉を交わさなくてもお互いにお互いがどう動くべきかをよく把握できていた。


レース後半には少人数での抜け出しを試みてアタックし、または反応して集団から少し抜け出しをリードする場面は何度もあったが、集団にエースを構えるチームのアシスト選手がそれを逃してはくれず、決定的な逃げとして決まることはなかった。

ハードに動いたことで脚がキツいがラスト周回へ入る手前で井上選手(BSアンカー)と畑中選手(team UKYO)と3人で抜け出した。これでBSアンカーとteam UKYOは追ってこない。チャンスと思い集団を引き離そうと先頭で思いっきり踏んで最終回へ先頭で入って行ったが集団を引き離すことができず、吸収された直後の下でのカウンターアタックで11人の逃げが決まった。そこには反応していきたくても脚が動かず反応して乗っていくことができなかった。それが悔しい。そのカウンターに岡選手がそこには乗って行った。


最終回の上りで後方集団からのブリッジに乗っていけず、集団から千切れて遅れて自分は40位でゴールした。


結果40位、「残念だったね」と言われた。たしかに結果は残念でした。何も残せなかったことは。
だけど去年と今年とではレース走った内容は全然違うものだった。ひたすら受け身で苦しめられ集団から千切れないようについていくだけだった去年に比べ、受け身ではなく攻撃を繰り返す側で攻めるレースができた今年。勝ちを意識できるのはどっちか、どっちがこの先に繋がるか自分の中でははっきりしている。


評価とリザルト、それと自分がレースを走って感じ得たものは必ずしもイコールではないと思う。それがロードレースの難しい部分でもあり、走る選手にとっても面白い部分なのかもしれない。競技であるからには結果が全てなのだけれども... やりたいことは悔いなくやりきれて得るものがあった全日本選手権だった。これが今の実力、今はまだまだ力及ばずだけど、この先、来年までには他チームから存在を恐れられるくらいの強い選手になっていたい。


本当に沢山の応援、レース会場でのご声援をありがとうございました。7月から夏季欧州遠征でフランスへ行ってきます。これからも応援宜しくお願いします。


面手 利輝



写真:http://cyclist.sanspo.com