夏のフランスでまた再び。


ブログを見に来てくれている皆様こんにちは。ブログの更新がだいぶご無沙汰になってしまいました。
今は約2ヶ月半ぶりにフランスへ戻ってきていて、これからまた今年の春のように Team Payname の一員としてレースを走っていきます。

フランスで過ごす5回目の夏のスタートを数日前に迎え、久しぶりのフランスの景色や空気の匂い、古い町並みなどが新鮮であり懐かしいです。この夏もこうしてここへ戻ってくることができて嬉しく思っています。



今日はフランスへ到着して5日目。毎日3.5時間〜4時間を TSS 200 前後で1人で淡々と走り込んでベース作りのトレーニングをしています。これから始まる夏のレース転戦へ向けた身体の準備です。チームと連絡を取り、今月21日 木曜日のレースを夏の1戦目として迎えることになりました。久しぶりにチームに合流できることとフランスのレースを走ることが楽しみです。

今日はチームメイトと久しぶりの再会をして1時間ほど一緒に走り、自分が日本へ帰っていた期間に走った全日本選手権のレースのことやタイへ合宿へ行ったことなどをフランス語で伝えられる範囲で話し、チームメイトのビビアンも自分がいなかった期間のチームメイトのことや、この夏チームが参戦するレース予定などを話してくれました。久しぶりに会ってもこうして一緒に..自然に..走れることがとても嬉しくすごく良い時間でした。




こうしてまたワクワクする気持ちでここへ戻ってこれて良かった。今のこの新鮮な気持ちを忘れなように毎日自分が納得いくことを納得するようにやってこの夏を走っていきたい。レース結果でしか自分を見れなくなると何かを見失うと今までの自分の経験上そう思う。今年の春がそうだったから。ここにいる選手たちが皆、結果でしか評価されないことは十分理解している。だからといって結果でしか自己評価できなくなるのではなくて、そこを目指す過程であるプロセスこそ大事にして楽しいことも忘れずにこの夏を頑張って走り切りたい。


タイ合宿


皆さんこんばんは。
17日間のタイ合宿を終えて昨夜日本へ帰ってきました。
タイ合宿を走りきって自分の中に新しく生まれた自信と、ほっとした気持ちと共に今はタイで走りまくったカラダのメンテナンスをしています。


何かを掴むためにこのタイ合宿への参加しました。
今回こうしてタイ合宿へ参加できたこと良かったと思っています。タイで新城選手と土井選手、そして後輩選手たちの皆さんと一緒に練習しまくって過ごせた時間は、自分に大事なことを思い出させてくれたと感じています。

改めて、タイ合宿でお世話になりました皆様、選手の皆さんありがとうございました。


練習では毎日ズタボロ状態でした。走った距離は17日間で2500km、初めてこんなに自転車に乗った。連日40℃を超える暑いときもあったし。
合宿前半はただ自転車に乗っているだけでも、その時間が苦に感じるほどでした。そのときはひたすら調子が悪いのだと思っていたが後になってわかったことがある。それはただ調子が悪かったのではなく、それと同時に何か大事なことを見失っていたのだと。



タイで皆さんと走り込むうちにそういうものを少しずつ取り戻せてきたと思います。毎日150km以上の練習にバイクで付き添って練習のサポートやバイクペーサーをしてくれる中川さんと先輩方からの助言にも助けられて。





新城選手と土井選手は毎日本当に強くて、これがプロ選手の姿なのだど後ろ姿で語られたように思う。センスや才能っていうものももちろんあるだろうけど、あそこへ到達するまで長い時間をかけて人並みではない強い意志を持って時間をかけて積み重ねて作り上げてきた『強さ』なんだと先輩方の姿から学んだ。


けっして飛ばして階段を上ることはできない。急ぐ気持ちはいつだってあるけど、一段一段と階段を上がっていくこと、そしてそれを辞めないことが今の自分の課題だと思う。世界で活躍している若い選手と比べると既に遅れをとっているが、自分にも可能性を感じられるうち、一番やりたい挑戦を続けることが許されるうちは目指して頑張っていきたい。


次に自分の出るレースは6月の全日本選手権です。その後フランスへ戻りチームを合流する予定です。


バランス


皆様こんにちは。
すっかり久しぶりのブログ更新となってしまいました。レース結果の報告などは facebookページ の方でアップしていましたがブログの方は最近書く気になれませんでした。



実は最近、一週間も自転車に乗らずに過ごしていました。シーズン中に選手が一週間も自転車に乗らないなんて普通はありえないことですが、いろいろな意味で自分には必要だと思った。

4月はフルスロットルで頑張ろうと張り切っていたけど、今月に入り日に日にカラダがキツくなってきて調子を落としてしまった。


なんか、最近レースも結果を求めて走っていたつもりが、いつの間にか追い込まれて走らされてるような感じがしていた。トライすることを楽しめない。カラダもそうだけど頭にも余裕が無かっただろう。トレーニング中、全然走れない自分に「オモテさん大丈夫?」って声かけてくれた EQADS の後輩に「こういうときは頭がシンプルじゃないんだよ、リセットしなくちゃ」と言って家に帰ったのが一週間前。



この一週間はカラダを休めて気持ちもクリアにできたと思う。また頑張るために。 少し離れてみて充電して。頭がシンプルじゃないときは気持ちを整えるためにもたまにはそういう時間も必要だなって思った。



今日から再スタート。新たな気持ちでまた頑張ろう。



最近空が少し夏っぽくなってきた。

3/13「Bordeaux / Saintes」


13日のレース「Bordeaux / Saintes」はボルドーからサントの街へ北上する170km。


photo:Maximilien Venisse Photographie

去年U23日本代表チームで走ったレースでもあり、振り返ると去年のU23 JAPANチームは本当に良いレースカレンダーで活動させてもらってきたと思う。今回このレースへ出場する選手はチーム内のセレクションで振り分けられた。自分のチャンスを作るにも、そのチャンスをものにするためにも毎レースが今まで以上に真剣勝負。今回この「Bordeaux / Saintes」へ Team Payname は6選手をセレクション。


チームは序盤に決まった逃げに1人の選手を送り込み自分を含む他5選手は後半の展開に備えた。レースはボルドーからサントへ北上するライン区間100km以上を常に横向かい風の中進みメイン集団はときよりエシュロンを組んだ横風攻撃で人数を減らしながら逃げを追走しレースは進む。メイン集団が25人ほどに減るまでエシュロン(横風を避けるための斜めの隊列)に加わり粘っていたが、余裕が無くなりポジションを下げてしまい横風攻撃を諸に受けて120km地点でメイン集団からドロップアウト。7分遅れの52位でのゴール。


自分が今走っているレースはプロのレースではない。だから選手の誰もが結果(順位)でしか評価されない。チーム内の評価ということであればアシストなどはもちろん評価に繋がるけどプロを目指している選手にとっては結果が全てである。そういう選手がたくさんいる中プロへの道を切り開ける選手は一握り。レベルの高さとか選手層の厚さももちろんだけど、そういう意味だけじゃなく別の意味でも厳しい世界でもあったりする。今の自分はここで結果を出すことが目標であり課題です。


Team Payname 面手 利輝


photo:Corentin Photographies Cyclisme

Team Payname Training camp in Espagne.

Team Paynameと合流してスペイン合宿へ行ってきました。
スペインの気候は昼間は20℃まで上がり短パン半袖ウェアでトレーニングができるほど暖かく、久しぶりに訪れるスペインの建物の造りや街の風景、崖のような山々などの風景が新鮮でした。

今回チームが合宿を行った場所は地中海に沿う Lloret de Mar というリゾート街地で、Team Payname はここを拠点に7日間のトレーニングキャンプを行いました。ホテルから歩いて行けるところにビーチもあれば、1000mを超える山もあってトレーニングキャンプをするには最高の場所です。



この街には同タイミングで他のヨーロッパのチームもトレーニングキャンプをしに来ているのを見かけました。隣のホテルにフランスからU23フランスチャンピオンの選手が所属しているチームを含み2チーム、同ホテルへフランスから他1チームとキャンプをしに来ていて、ヨーロッパのチームはこうしてレースが始まるシーズン前にトレーニングをしやすい気候の場所へ行き、トレーニングキャンプをしていることが伺えます。


Team Payname はスタッフも選手も自分の他は全員がフランス人のチームで、日本人は自分1人というのは初めての環境ですが、スタッフも選手たちも、まだフランス語では理解できないことが多い自分に対して丁寧に教えてくれています。


このキャンプでのトレーニング内容は日によって1000mを越える峠を含む獲得標高2500m、5時間半150kmのトレーニングをする日もあれば、上りでのレース走、平坦でのトレインを組んでのスプリントトレーニングなどいろいろなメニューを行いました。休息日として午前はフリーで午後に2時間のイージーライドだけの日もありました。

そしてこのキャンプで僕が驚いたのが選手11人に対して4人のマッサーがキャンプ後半へ合流してきたことです。合宿4日目以降はハードトレーニングの後、夕食までに選手全員が毎日マッサージを受けられます。

他にも、ホテルのバイキング形式の食堂では、バイキングに加えパスタや米、ブロッコリーなどの温野菜、最低限の味付けをした肉や魚などのアスリート食を用意してくれていることなどにも驚いてます。



イージーライドのオフ日の午前中にはチームメイトとビーチのカフェへ行くなどしてオフタイムでの交流も深めています。こういう時間は言葉の勉強にもなり、また今シーズンを共に過ごすチームメイトとコミュケーションをとれる大事な時間でもあるのでこういう自転車の上以外の時間も大切にしていきたい時間です。


自転車に乗っている時も、そうでないときも全ての時間が僕にとっては練習であり勉強です。
自転車トレーニングのキャンプという枠を超えた経験をさせてもらったと思う。日本人の自分をあたたかく受け入れてくれたチームと選手の皆に感謝しています。このトレーニングキャンプから始まったTeam Payname で走る今シーズン、とても良いスタートを切れたと思える充実したスペインでのトレーニングキャンプになりました。
昨日より今日、今日より明日というふうにこのチームの中で自分が成長していけるようにこれからも頑張ります。


Team Payname T.OMOTE


新たな一年、新たな環境で。


久しぶりのブログ更新です。いつも応援してくれている皆様ありがとうございます。
もう既に発表をさせていただいたので知っていてくれている方も多いと思いますが、日本を離れる前に自身のブログでも今年のことをお伝えしたいと思いブログを書いています。


今季2016年シーズンは今までお世話になってきたエキップアサダを退団し、単身でフランスへ渡り Payname というアマチュアチームへ所属して1年間走ります。Cyclist(サイクリスト)/産経デジタルさんより発表させていただきました。


Cyclist(サイクリスト)/産経デジタル 発表記事






Team Payname



夢はヨーロッパでプロ選手になり世界のレースで活躍することです。自転車ロードレースというこの競技を選手として走っている以上これは変わりません。


去年9月アメリカでの世界選手権を終えた時点で、いくつかの選択肢の内からこの選択をしました。選択肢はいくつかあったと思うけれど、ヨーロッパでプロ選手になることを目指せる環境へ行くという意味での選択肢はたいしたリザルト(レース結果)を持っていない自分には少なかった。


向こうの世界でプロ選手になるにはどうしたらなれるのだろうか。
ヨーロッパのアマチュアでレースを勝って実力を認められた選手のみがプロへの狭き門を勝ち進む方法しか自分は知らない。

実際に、僕が今までフランスのアマチュアレースを走ってきて、そこで優勝した選手や強い選手が翌年プロとして走っている姿、そんな選手を何人か見てきた。


これから自分がフランスへ行ってやろうとしていることは、そういうリアルな環境へ身を置いて大きく成長することだ。そしてリザルトを残しチャンスを掴むこと。


今までの経験から思うことを言うと、あえて厳しい欧州の環境へ身を置いてやっていかないとそこで戦えるような選手には成長できないと僕は思う。常識が違い、多くのことがいろいろと違う。そして成長には一番必要だと思うことである「何かを感じ取ること」が向こうにいると全然違う。



今年も、結果を出して認められれば上へと繋がっている。そういう意味でも繋がりのある新たな環境で走れることを嬉しく思っています。そして感謝しています。


今夜の飛行機でフランスへ出発します。秋が深まる頃に大きく成長した姿で日本へ帰ってこれるように頑張りますのでこれからも応援よろしくお願いします。


面手 利輝

ジャパンカップ サイクルロードレース 2015



 photo:岡元さん

日本ナショナルチームの一員として初参戦したジャパンカップ。自分がここへ来た理由はひとつ。新城幸也選手のフルサポートをすること。このレベルのレースで今の自分が新城選手に対してアシストとして何ができるか。よく話してやるべきことを明確にしてレースをスタートした。1周目の古賀志の登りで初めて受ける大歓声に鳥肌が立った。いよいよ僕の今年のラストレースが始まった。



レース中は常に新城選手の近くを走り、後半へ向けて力を温存させると同時にいつでも話して指示を受けられるように走っていた。レースが大きく動くところで自分も動いてアシストとしての役割を確実にこなすことが大事だ。新城選手と一緒に走り学べることがたくさんある。感じたことは脚にはもちろんだけど、すごく頭に余裕がり常に冷静であること。



前半からトレックチームが集団を牽引しコントロールしている。集団の前方はプロツアーのチームが人数を揃えていてそこに入り込んで1人で居場所を作ることはかえって脚を使うことになる。だから重要な場面以外では後方で温存と待機の走りをしていた。
それに集団内には先頭を引いてコントロールしているチーム、その時間に仕事をしているチームに対しては割り込むことも被せることもしてはいけない。ルールということではないがプロのロードレース界にはそういうものが確実に存在する。



そこに居場所を作りたいのならば、人数を揃えてチームで動き、集団牽引などその時間の仕事に自分のチームメイトを送り込み他チームに自分たちの存在を認めてもらうことが必要になる。これは僕が今まで浅田監督の下でヨーロッパで走り学んできたこと。力だけではない姿勢、そういうレースの仕方が周囲に自分たちを認めさせることに繋がる。



レースは全14周回あるうちペースアップがかかり割れる重要な局面というのはラスト3周からだろう。「ラスト3周の古賀志の登りは絶対に先頭で入りたい」と新城選手から指示を受けた。集団のスピードも上がってきてスタートと同時に決まっていた逃げも吸収していよいよラスト3周に入る。

チームスカイが先頭で古賀志の入り口手前はかなり激しい位置取り。横を見ただけでもBMCチーム、キャノンデール、ランプレ・メリダも良い位置に来ている。新城選手が後ろにいることを確認して前へ上がり、チームスカイの隊列に張り付き新城選手を3番手で古賀志の登り口へ送り込むことができた。ここでは良い仕事ができたと思う。



 photo:高木さん



「ありがと!」と一言の後、新城選手は古賀志を駆け上がっていった。自分はなんとかこの周も集団で登りきって、次の周回でもアシストするために耐えようと粘ったが、古賀志を登るスピードに耐えきれなくて集団から千切れ自分の新城選手に対してのアシストの役割はそこまでとなった。残り2周回をグルペットで走り7分半遅れて32位でゴールした。





今回のジャパンカップ遠征を通して世界の舞台で、あの世界で走っている新城幸也選手、別府史之選手がどれでけのものを背負って走っているのか。それを肌で感じることができたように思う。うまく言葉が見つからないが、新城選手とチームメイトとして走る貴重な経験をさせてもらった時間の中でそういうことを感じた。


今、日本のロードレース界で別府選手、新城選手に続く若い選手がいないと言われている。僕ら世代は結果が出ないとそう言われ、自分はそれに対していつも悔しく歯を食いしばっている。確かに自分でもまだまだ力不足だと思う。今回のジャパンカップも結果は新城選手に頼りっぱなしなのも事実。まだまだ遠く厳しい道のりだけどあのレベルへ到達できると信じてその道を選んで挑戦を続けていきます。


レース会場ではたくさんの応援・ご声援をありがとうございました。そして今年1年間を通してたくさんの応援ありがとうございました。僕にとって素晴らしいシーズンになりました。また来年、成長して強くなってレースの現場へ帰ってきます。だからこれからも応援してください。宜しくお願いします。


面手 利輝



 photo:岡篤志